概 要
委員長 中野 貴由
大阪大学大学院工学研究科 教授
副委員長 前川 篤
大阪大学招聘教授
株式会社シグマクシス シニアフェロー
(前・技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)理事長))
AMは近年、モノづくりの仕組みを変革するテクノロジーとして、学術界・産業界の双方で大きな関心を集めています。AMの基本概念そのものは日本で考案されたものの、世界規模でのデジタル化の波の中で、日本はその研究/予算規模や成果報告数において欧米・中国の後塵を拝しています。
日本がAM分野において再び主導権を握り、ひいては、AMを通じて世界の材料(金属・セラミックス・樹脂、細胞など)科学を牽引するためには、基礎研究から研究成果の社会実装までをシームレスに、そして産・学・官の分け隔てなく議論するための「場」が不可欠です。更に、AMは単に複雑形状の部品を得るための手法にとどまらず、素材の機能性に直結する材質の自在な制御をも可能とするテクノロジーとなっており、従来法の範疇を超える材料特性・機能性の制御が実現されつつあります。したがって、材料工学、結晶学、計算機材料学、溶接工学、機械工学、化学工学、情報工学、土木・建築工学、医学といった多くの分野にまたがる横断的・融合的分野と捉える必要があります。また、AMはデジタルツイン技術との融合により飛躍的な進化が期待できます。日本発の優れた学術的研究成果の創出や高付加価値製品の実用化、今後の日本のAM分野の取り組みの方向性の議論・決定のため、産・学・官そして多分野の有機的連携を促進するために本研究会を設立します。